2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚特異的転写因子Sp6の活性―構造相関の解明と相互作用分子の同定
Project/Area Number |
21791805
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三好 圭子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (20304537)
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Keywords | 転写因子 / Sp6 / 機能ドメイン / 転写活性 / 核移行シグナル / 細胞内局在 |
Research Abstract |
歯の発生分化に重要な役割を担うSp6は、N末側にプロリンリッチドメイン、C末側に3つのタンデムなジンクフィンガーモチーフ、そして中程に機能不明なBtdドメインを持つ転写因子である。現在までにこれらのドメイン構造と、Sp6の持つ機能の相関はまだ未解明であった。そこで、H21年度では、未解明であるSp6の構造と機能の相関を解明するたあ、アミノ酸配列をもとに想定される核移行シグナルを含む機能ドメインまたはモチーフをもつ種々の長さのSp6(Sp6全長、C末Znフィンガーのみ(±Btdドメイン)、N末プロリン・リッチ領域のみ(±Btdドメイン)にFLAGタグを付与した発現ベクターを作製した。これらの発現ベクターをCos7細胞および当研究室で樹立した歯原性上皮細胞クローン(G5)に遺伝子導入し、各Sp6の部分欠失型タンパク質を発現させ、FLAGタグ抗体にて細胞内局在およびタンパク質発現レベルを検討したところ、全長Sp6に比べ、C末側のみまたはN末側のみでBtdドメインをもつ部分欠失型Sp6は発現レベルが顕著に低下していた。また、全長Sp6は核に局在しているにもかかわらず、作製した部分欠失型Sp6はいずれも細胞質に局在していた。以上のことからSp6が転写因子として機能するために核に局在するためには全長の立体構造が必要であることが示唆された。これは世界的にもまだ報告がない結果である。またタンパク質の発現レベルがことなることから、タンパク質の安定性に関わる修飾が存在することが新たに示唆された。この問題は次年度以降に追求していきたい。一方、転写因子としての機能解析のため、Spファミリーの認識配列として知られているGC/GTboxモチーフをレポーターベクターに組換え,準備を整えた。以上の結果を踏まえ、現在、部分欠失型Sp6の追加ベクターの構築を進めている。
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