2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚特異的転写因子Sp6の活性―構造相関の解明と相互作用分子の同定
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21791805
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三好 圭子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (20304537)
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Keywords | 転写因子 / Sp6 / 機能ドメイン / 転写活性 / 相互作用分子 |
Research Abstract |
転写因子Sp6は歯の分化・発生過程において重要な役割を果たしていることは知られているが、Sp6の構造と機能の相関をはじめ、分子自体の性質は未だ不明である。平成21年度にはアミノ酸配列をもとに種々の長さのSp6にFLAGタグを付与した発現ベクターを作製し細胞に導入の後、FLAGタグ抗体にてタンパク質発現レベルを検討したところ、24時間後と48時間後ではタンパク質の発現レベルが異なることから、タンパク質の安定性に関わる修飾の存在が示唆された。この安定性については相互作用分子を同定する際に用いる細胞材料の条件選択に重要な意味を持つことから、平成22年度はSP6の安定性の制御機構に重点を置いた。その結果、SP6の半減期が短く(T1/2=40分)、プロテアソーム分解系を介してSP6の発現レベルを調整していることを見出した。また、プロテアソーム分解系ではユビキチン依存性と非依存性の両経路が存在しているが、SP6はユビキチン化、SUMO化、リン酸化といった翻訳後修飾は受けていないことを、免疫沈降法により解明した。SP6の安定性について追及した報告は世界で初めてであり、現在論文投稿中である。同時にプロテアソーム阻害剤とsiRNAを組み合わせることにより新たなin vitro SP6誘導システムを構築し、マイクロアレイにより新たなSP6のターゲット遺伝子を同定した。現在、SP6の機能解析に利用できるよう、レポーターベクターに新ターゲット遺伝子プロモーターを組み込む準備を進めつつ、相互作用分子を同定するための準備としてクロスリンク剤を用いた免疫沈降によりSP6複合体の調整のための条件検討を行っている。
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Research Products
(3 results)