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2010 Fiscal Year Annual Research Report

交感神経抑制による歯痛制御理論の確立

Research Project

Project/Area Number 21791836
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

示野 陽一  東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70447168)

KeywordsWGA-HRP / 交感神経 / 炎症歯髄 / 発芽 / ラット
Research Abstract

近年、感覚神経が損傷されると交感神経が発芽し、感覚神経との間にcross talkが出現して痛みが修飾されること(交感神経依存性疼痛)が報告されている。すなわち、痛覚線維は正常では交感神経やノルアドレナリン局所投与に対して反応しないが、受容野に神経損傷や炎症が起こると反応するようになること、また、この反応は交感神経受容体(α_2)阻害薬の前投与によって消失することが報告された。歯痛においても、特発性歯痛は交感神経依存性疼痛の範疇に含まれる可能性が示唆されている。本研究では、歯髄の痛みに対する交感神経の末梢修飾機序を明らかにすることを目的として、神経の順行性輸送を利用した神経回路標識法を用い歯髄炎における交感神経の発芽およびその意義について検索した。
実験動物としてウィスター系ラット10匹(300~400g、成熟オス)を用いた。窩洞形成を行った5匹を炎症歯髄群、窩洞形成を行わなかった5匹を正常歯髄群とした。1)窩洞形成:上顎左側第一臼歯近心咬頭に窩洞を形成した。2)WGA-HRP注入:臼歯窩洞形成後18日目、左側上頸神経節に5%WGA-HRPを注入した。3)灌流固定:臼歯窩洞形成後21日目に灌流固定を行った。4)電顕観察:厚さ90nmの超薄切片を作製し、鉛染色後、電顕観察を行った。正常歯髄群では、交感神経の神経終末を示すWGA-HRP反応物は電子密度の高い塊状物として観察され、この反応物は象牙芽細胞層および象牙芽細胞層直下に散在していた。象牙芽細胞層において、WGA-HRP反応物の大部分は象牙芽細胞体と近接していた。象牙細管内においては、象牙芽細胞突起に近接して無髄神経終末が認められたが、WGA-HRP反応物は観察されなかった。炎症歯髄群では、修復象牙質直下の象牙芽細胞層において象牙芽細胞の配列は乱れており、この部位でWGA-HRP反応物が多数認められた。

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Published: 2012-07-19  

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