2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791863
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
小谷 依子 Meikai University, 歯学部, 助教 (20458491)
|
Keywords | Er:YAGレーザー / 根管治療 / 健康象牙質 / 感染象牙質 / 軟化象牙質 |
Research Abstract |
(今年度の研究目的)健康象牙質に影響を及ぼさず、軟化象牙質がアブレーションされるエネルギー密度を検索する。 (実験方法)Er:YAGレーザーを用いて、ヒト下顎小臼歯およびウシ歯の根管壁に様々な条件でレーザー照射を行い、照射部をSEMおよび3次元表示により観察した。健康象牙質に影響を及ぼさず、軟化象牙質がアブレーションされるエネルギー密度を算出した。 (結果)エネルギー密度8.77J/cm^2を照射した場合、実体顕微鏡下での観察で、照射痕が白い点として確認出来るものと出来ないものがあった。SEM観察では、かすかに照射痕が確認できたが、象牙質の剥離はなく、照射していない部位と比較して象牙細管の開口がはっきりしていた。3次元表示による観察では、照射痕は確認できず、全体に歯面は均一であった。深さ測定では、平均0.3μm深さであった。以上のことから、健康象牙質に影響を与えないエネルギー密度は、8.77J/cm^2以下であった。 軟化象牙質に8.77J/cm^2の照射を行った場合、実体顕微鏡下の観察では、照射痕は点状に確認出来たが、白濁していなかった。SEM観察では、照射痕はほんの一層の溶解像を示し、象牙細管の開口は一部であった。3次元表示による観察では、照射痕は確認出来ず、全体に歯面は均一であった。深さ測定では平均15.5μm深さであった。 8.77J/cm^2では、軟化象牙質は健康象牙質よりアブレーションされやすいことが確認できた。 (まとめ)結果から、レーザーを用いた根管治療において、8.77J/cm^2では感染象牙質のみの除去が可能であることが示唆された。手用切削器具を用いて根管治療に費やされる時間・労力は過大なものがある。また、感染象牙質の削除のために、健康象牙質まで除去してしまう。MIの観点からも、レーザーによって根管内感染象牙質のみ選択除去できるならば、歯科臨床を大きく変えることになる。
|
Research Products
(4 results)