2009 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー照射後の歯髄石灰化機構におけるフリーラジカルとHSPの役割と解明
Project/Area Number |
21791866
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松井 智 Nihon University, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (10453903)
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Keywords | 半導体レーザー / 歯髄象牙質再生療法 / 硬組織形成能促進 / フリーラジカル / アルカリホスファターゼ / オステオポンチン / オステオカルシン / HSP27 |
Research Abstract |
現在,歯髄保存療法には,MTAや水酸化カルシウム製剤などを使用した直接覆髄法が適応されている.しかし,修復材料との接着性の低下や塩基性のpHのため,歯髄組織の壊死が生じ細菌感染を容易にしてしまうなどの問題点も残っている.本申請では,半導体レーザーの光線力学療法を応用した薬剤を使用しない歯髄象牙質再生療法の確立を目指している. 660nm低出力半導体レーザー(20mW)をヒト歯髄培養細胞に0,1,5,10分間レーザー照射を行うことで,培養30日目のvon Kossa染色とアリザリンレットS染色において,照射時間に依存してvon Kossa染色とアリザリンレットS染色の陽性反応の増強と石灰化結節の形成増大が認められた.また,形成された石灰化結節数の計測を行ったところ,レーザーの照射時間に依存して,石灰化結節数の増加が認められた.この石灰結節の形成機序を検索したところ,レーザーの照射時間に依存して,培養15日目をピークとしたALP活性の上昇が認められた.また,レーザー照射後24時間後の細胞増殖能を検索したところ,10分間照射を行うことで細胞数の増加が認められた.この増殖した分化能の検索のため,ALP染色を行ったところ,レーザーの照射時間に依存して,ALP陽性反応を有する細胞数の増加が認められた. 以上の結果から,ヒト歯髄培養細胞に半導体レーザー照射を行うことで,照射時間に依存して細胞数の増加が認められた.その増加した細胞は,象牙芽細胞や歯髄細胞中の未分化な歯髄幹細胞が硬組織形成を有する細胞に分化することで,ALP活性を介したリン酸カルシウムの形成を促進させることが示唆された.
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Research Products
(8 results)