2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を新しいモダリティーとしたレジンセメント接合界面の質の評価
Project/Area Number |
21791867
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 佳奈子 日本大学, 歯学部, 非常勤医員 (20508600)
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Keywords | 超音波パルス法 / レジンセメント / 弾性率 |
Research Abstract |
これまで,歯質あるいは修復材の弾性率については,引張り,曲げ,圧縮試験あるいは微小硬さ試験などによって測定されてきた。しかし,そのいずれの試験も部材に破壊的応力を負荷するものであり,測定した同一試験体を他の実験に用いることはできないために,異なる試験体を用いてそれぞれの試験を行い,,その結果を総合して考察してきた。また,引張りあるいは圧縮試験においては,試験サイズあるいはひずみ速度などの測定条件が測定値に影響をおよぼす可能性が指摘されていることからその試験結果の評価は慎重に行われる必要性が指摘されていた。 そこで,レジンセメントの弾性率を非破壊的に測定する方法として,超音波パルス法に着目し,これを歯質とレジンセメントとの接合界面における物性評価法とするという新しいモダリティーの構築を試みた。 そこで演者らは,レジンセメントの初期硬化挙動と弾性率について,照射条件およびプライマーの有無でどのように変化するのかについて検討した。照射条件は600,200mW/Cm^2および照射なしの3条件で,その条件にプライマーの塗布および塗布なしの条件を加えた6条件とした。 いずれのセメントにおいても光線照射開始から,セメント内部を伝播する音速は上昇したが、その傾向はセメントの種類によって異なるものであった。すなわち,光線照射の影響)受けやすく短時間に音速が早くなるものと光照射の影響をある程度受けるが,その後徐々に硬化が進み伝播速度が緩やかに上昇するものとに分けられた。また,光強度の違いとプライマーの有無によって,初期硬化拳動に明らかな違いが認められた。
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