2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791883
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安藤 智宏 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部・附属病院, 医員 (90451921)
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Keywords | 音声認識システム / 有床義歯 / 音声セグメントラベル / 発語障害 / 不特定話者 / チェアサイド |
Research Abstract |
これまでに開発を行ってきた独自の音声認識システムでは適正な発音,不適正な発音の標準値が設定されていないため発語評価の基準の指標がなく,また音声認識の結果の表記法が本システムの使用者しか理解できないラベル表示であるため,術者,患者ともに容易に判定可能までには至っていなかった. これまではラベルの抽出は術者が行っていたが,3種の音声セグメント(持続性,子音,境界セグメント)を自動的に認識するようプログラミングに成功し,目的となる音節を自動で抽出することが可能となった.これにより作業効率の向上,より客観的評価の確立に近づいた. 評価基準を設定するためデータの集積を行った.音節抽出を自動化することができたため作業効率が上がりデータ集積の時間短縮につながった. そのため今年度の研究計画には入れていなかった健常者での義歯装置の形態について評価を行った.各被験者の上顎に6種類の実験装置を作製し,歯頸部から口蓋部に調音点をもつ6種類の子音を含めた被験語を発音させ,各被験語を5回ずつ行い,分析には本システムを用いた.調音点が位置と実験装置の形態についての関連が示唆され,調音点の位置に実験装置が走行している場合子音の認識率が有意に低い値を示した.また左右非対称の形態の実験装置においては認識率が低く,データのばらつきが認められた.これにより患者に苦手な音節が認められる場合,その音節の調音点を避けるよう義歯の形態を決定する必要があり,また可及的に左右対称的な形態が好ましいと考えられる.これらの発表は2009年11月28日第43回日本顎口腔機能学会学術大会にて行われた.
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