2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791883
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安藤 智宏 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (90451921)
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Keywords | 音声認識システム / 有床義歯 / 発音 / 音声セグメントラベル / 発語障害 / 自動抽出 |
Research Abstract |
本研究は,有床義歯の補綴治療を要する症例に対し,術前の発音機能を簡便かつ的確に診査し,有効な治療法を指示するとともに,補綴治療後の効果を評価し,チェアーサイドでも可能な客観的診断・評価法の確立を目指すものである.その客観的評価の方法として,日本語音声認識の技術を導入し,指定した被験語を義歯装着者に発音させ,コンピュータが認識した結果をディスプレイに表示し,その一致率を分析し,義歯の有無,装着後の経過に伴う変化などから,義歯装着による影響の判定基準を得ることを目的とする.可及的に簡便なシステムを構築し,診療時に診療チェアで数回発音するだけで診断結果が表れ,術者も患者も容易に判定できることが目標となる. 評価基準を設定するためデータの集積を前年より引き続き行った.音節抽出を自動化することができたため作業効率が上がりデータ集積の時間短縮につながった. 有床義歯の両側設計において必ず使用される大連結子の走行についての実験結果により,3種類(前,中,後)の上顎大連結子走行位置が中である時に被験音の認識率と子音持続時間の低下が軽度であった.義歯の設計により発語機能への影響があることが示唆され,発音の診査は義歯のデザインを決定する一つの『もの差し』となりうること示唆された.つまり我々の開発した音声認識システムを用いることにより補綴装置の形態を決定することが可能となり,今後の音声の研究や臨床において応用されることが期待される.
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