2010 Fiscal Year Annual Research Report
上顎顎欠損患者の発語機能リハビリテーションプログラムの開発および有用性の検討
Project/Area Number |
21791895
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鵜川 由紀子 岡山大学, 病院, 医員 (00457227)
|
Keywords | 上顎顎欠損 / 発語機能 / リハビリテーション / 顎義歯 / QOL |
Research Abstract |
悪性腫瘍により口蓋骨を外科的に切除した患者には,摂食,審美障害に加え,重篤な構音障害が現れることが多い.しかし、これまで口蓋骨を切除した患者に対して発語リハビリテーションはあまり行われてこなかった.そのため,患者は発語に不安感が残る場合が多かった. そこで本研究では,顎顔面領域の悪性腫瘍の外科的手術を行い,顎義歯を装着した患者に対して,発語補助アプライアンスを装着し、リハビリテーションを行い有用性を検証することを目的とした。 平成22年度に本学の疫学研究倫理審査委員会に承認された研究計画に従い,同意の得られた被験者2名(男性1名,女性1名)について研究を行った. 男性は悪性腫瘍により外科的手術を行い、顎義歯装着後2カ月経過したリハビリ期の患者であった。女性は悪性腫瘍により、顎義歯を装着した患者で術後23年経過し顎義歯を良好に使用していた患者であった。 被験者に対して、義歯非装着時、装着時、発語補助アプライアンス装着時の3条件で発語機能評価およびNasalancesc scoreの算出を行った。リハビリ期の男性被験者には、発語補助アプライアンスを装着し2週間の発語リハビリテーションプログラム実施後にも、発語機能評価およびNasalance scoreの算出を行った。 男性被験者では、発語明瞭度検査、Nasalancescore共に、2週間のリハビリテーションプログラムの後では、他の条件と比較して有意に改善していた。一方女性被験者では、発語明瞭度検査、Nasalance score共に、義歯非装着時と比較すると、義歯装着時は有意に改善した値を示したものの、義歯装着時とアプライアンス装着後では有意差はなかった。以上の結果から、リハビリテーション期の患者に対して、アプライアンスを装着して2週間のリハビリテーションプラグラムを行うことで鼻腔への息漏れが減少し、発語機能が改善される可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)