2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791901
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡邉 恵 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40380050)
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Keywords | 金属アレルギー / 樹状細胞 / MAPキナーゼ / ニッケル |
Research Abstract |
我々が作製したニッケル(Ni)アレルギー発症マウスを用いた解析で,金属アレルギーには樹状細胞(Dc)とT細胞が深く関与しており,Niで刺激したDc上ではMAPキナーゼカスケードの中でもp38MAPキナーゼとその上流のMKK6のリン酸化が亢進していることも明らかとなっている. pcDNA3.1-MKK6を培養DCにjet PEI mannose試薬を用いて遺伝子導入し,MKK6を強発現させたDCを移入して作製したアレルギー発症マウスにおいて,マウスの耳介腫脹量はコントロール(平均1.0mm)と比べて有意に大きくなった(平均1.4mm.p<0.01).あらかじめ感作したマウス耳介皮下にMKK6SiRNAをアテロコラーゲンと共に投与し,5日後にアレルギーを惹起したMKK6活性化抑制群では,耳介腫脹量が有意に小さくなった(平均0.4p<0.01). 次にこれらのDCを用いてトランスウェル上でNi刺激に対するmigrationassayを行った. その結果,MKK6遺伝子導入群,およびMKK6遺伝子抑制群を比較して,細胞遊走に有意な差を認めなかった. アレルギーモデルマウス耳介皮膚で,細胞遊走に関わる分子であるRhoA,Rac1の発現を皮膚の上皮シートを作製して観察したところ,ケラチノサイト上に両分子の活性化を認めた。 以上の結果から,本手法によりMKK6発現を調節することで,アレルギー症状を調節できることが示された.またアレルギー発症マウスの皮膚では,RhoA,Rac1遺伝子が活性化していることが明らかとなった.RhoA,Rac1は細胞の遊走に関わる分子であり,これらの発現,活性化を調節することで,細胞遊走を調節し,金属アレルギーの発症を抑制することができる可能性が示された.
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Research Products
(3 results)