2010 Fiscal Year Annual Research Report
中性機能水を応用した歯科用ユニットの殺菌・消毒効果
Project/Area Number |
21791918
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小林 茉莉 昭和大学, 歯学部, 助教 (10407471)
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Keywords | 中性機能水 / 電解酸性機能水 / 細菌汚染 / バイオフェルム / 腐蝕・劣化 |
Research Abstract |
近年、院内感染が大きな社会問題となっている。その対応策として診療用器具や器材の滅菌・消毒がすでに実施されているが、歯科用ユニットにはほとんど講じられていないのが現状である。歯科用ユニット水管路内にはバイオフィルム形成菌が存在している。これらの大半は従属栄養細菌であり正常な免疫機能有する人では病病原性菌となる可能性はほとんどない。しかし、易感染者や高齢者は感染リスクが高くなる。このため、金属に対する腐食作用や生体に対する為害性が低く、無味無臭に近いという性質を有する中性機能水を歯科用ユニットに供給し、歯科用ユニットの殺菌・消毒効果、中性機能水生成装置の性能評価および中性機能水の経時的変化を検討した。 上水道水および中性機能水を試検液とし、それぞれを通水した歯科用ユニットから診療開始前後に含嗽用コップ給水管より排出される採取した。採取した試料を定量培養法にて培養し、細菌数の計測および菌種の同定を行い、上水道水を通水した歯科用ユニットの汚染状況の調査を行った。同様の方法で、中性機能水の殺菌消毒効果の評価をした。また、中性機能水を通水した歯科用ユニットより採取した試料中に溶出した金属関連物質(鉛・亜鉛・アルミニウム・鉄・銅およびそれらの化合物)の溶出量を測定し、水管路および接続されている機器の腐蝕・劣化評価を評価した。さらに上水道水を5年間通水していた歯科用ユニットに中性機能水を1年間通水し、殺菌消毒効果を得られた歯科用ユニットや5年間中性機能水を通水したのち通水を上水道水に変更したものに対して総細菌数を測定し、3年目の経時的変化を観察した。
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