2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791976
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川俣 綾 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 医員 (60527018)
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Keywords | 骨代謝 / AP-1 / JunD / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
本年度は骨芽細胞および破骨細胞におけるJunDの機能について検索を行うことを目的とした。まずは生体内におけるJunDの発現部位を特定するために、骨組織切片を作製し、抗JunD抗体で免疫染色を行い、JunDが発現する細胞を検索した。その結果、JunDは骨芽細胞にも破骨細胞にも発現していることが示された。これはJunDが骨芽細胞および破骨細胞のどちらに対しても作用していることを示唆する結果として重要である。また、以前JunDが海綿骨量を制御する因子の一つであることは報告したが、皮質骨量についても検索を行った。その結果、JunD KOマウスは野生型と比較して海綿骨量は増加しているが、皮質骨量には影響を与えないことが示された。そこで、JunD KOマウスの海綿骨領域における変化について研究をすすめることとした。まず、JunD KOマウスの海綿骨領域における骨芽細胞数および破骨細胞数について検討を行ったところ、JunD KOマウスではどちらも野生型に比べて有意に増加していることが示された。これにより、JunDは骨芽細胞および破骨細胞の増殖を抑制する因子として作用している可能性が示された。次に、それぞれの細胞の機能に対する影響について検討していくこととした。まず、JunDの骨芽細胞における機能を解明する目的でマウス頭蓋骨由来骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞を用いて、AP-1構成遺伝子の発現量を測定したところ、JunDは分化の初期から後期にかけてほぼ同じ発現量であったのに対して他のAP-1構成遺伝子は分化後期になると発現量が低下していた。このことは、JunDは骨芽細胞の分化後期の機能に対して影響を与えている可能性を示唆する結果として重要と考えられた。
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