2009 Fiscal Year Annual Research Report
静脈麻酔薬における抗酸化作用の性格付けによる新規麻酔薬選択基準の確立
Project/Area Number |
21792036
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
小林 杏 Kanagawa Dental College, 歯学部, 特別研究員 (80513788)
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Keywords | 麻酔薬 / 抗酸化作用 / 活性酸素種 / ESR / 酸化ストレス |
Research Abstract |
臨床で用いられている静脈麻酔薬には,われわれが過去に検討を行ったプロポフォールのほかに,バルビツレート系,ベンゾジアゼピン系,鎮痛薬として用いるオビオイドなどがある。われわれはすでに,プロポフォールとプロフォール製剤に含まれるvehicleは直接的に反応性の高いHO^・を消去し,プロポフォール麻酔により脳内酸化ストレスの高いモデルである脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)の脳内酸化ストレスが抑制されるという知見を報告した(Kobayashi et al.Anesthesiology,109:426-35,2008)。本年度は,とくに歯科における精神鎮静法においてプロポフォールと頻繁に併用するベンゾジアゼピン系のミダゾラム,フルニトラゼパム,ジアゼパムを研究対象とした。 これらの精神鎮静薬の抗酸化作用の評価は,フリーラジカルを唯一直接的に検出可能な電子スピン共鳴(ESR)法を用いて行った。活性酸素種の中で代表的なO 2^<・->と,反応性の高いことで知られるHO^・に対するこれら精神鎮静薬の消去活性をin vitro X-band ESR法を用いて評価した。 本研究により,ミダゾラムはHO^・,O2^<・->を濃度依存的に消去し,抗酸化作用を有することをESR法を用いて初めて直接的に確認した。特にプロポフォールにはみられないO 2^<・->消去活性は歯科の精神鎮静法において,プロポフォールと併用することで付加的な抗酸化作用が期待できる。次年度は実際に酸化ストレスの高いモデルであるSHRSP脳内におけるこれら精神鎮静薬の効果を検討する。
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Research Products
(5 results)