2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯の移動時の歯周組織におけるポストデス・シグナルの役割
Project/Area Number |
21792057
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 衛 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (30374945)
|
Keywords | 歯学 / 細胞・組織 / 歯の移動 / アポトーシス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、歯周組織を構成する細胞の死後に放出されるシグナルに着目し、歯の移動時の部位特異的な歯周組織再構築のメカニズムの解明することを目的として研究を行い、以下のような成果を得た。 (1)歯の移動時に生じるアポトーシスの検出のための動物実験 8週齢のWistar系雄性ラットの上顎第一臼歯を移動後に上顎骨を摘出し、作製した組織ブロックを用いた。現在は通法に従ってパラフィン切片(水平断)を作製しており、今後TUNEL法などの染色を施し形態学的に観察する予定である。 (2)歯根膜細胞、セメント細胞、骨細胞の初代培養 歯根膜細胞は、矯正治療のために抜歯された、正常な小臼歯の歯根中央1/3表面から歯根膜片を剥離して培養した。セメント細胞は、歯根膜を剥離した歯根表面から外科用メスで切離したセメント質細片をコラゲナーゼ処理し、分離培養したが、十分な細胞数は得られなかった。骨芽細胞と骨細胞は、上顎骨骨切り術の際に切除される皮質骨骨片から同様に分離培養した。 (3)人為的アポトーシスとアポトーシス小体の調整 in vitroアポトーシス誘導法として、申請時には0.1%牛胎児血清添加培養液中で低血清(低栄養)条件にするとしていたが、最新の研究から低酸素条件で誘導されるアポトーシスも重要な対象として解析する必要が生じた。そこで購入したマルチガスインキュベータを用いて人為的に低酸素状態にして細胞を培養する方法を確立した。
|