2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい四次元顎口腔機能解析システムの開発と臨床応用
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21792094
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
林 一夫 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20316269)
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Keywords | 干渉計算 / コーンビームCT / 3DCG / オーラスキャナ |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、下顎運動時の咬合接触状態の動的変化の様相を定量的に評価するための解析手法の確立を行った。動的な咬合接触状態を再現するには咬合接触部位の干渉計算が必要であり、既存の干渉計算ライブラリを用いて高精度のリアルタイム干渉計算ソフトウェアを開発し、顎運動時における上下歯列弓の衝突判定を行った。 また、顎運動の四次元モデルを表現する手法としての3DCGの精度を向上させ、より臨場感のある動画の作成を試みた。視点を変化さることが可能なアルゴリズムを追加し、顎運動をオペレータの任意の角度から確認することが可能となればより機能解析の理解が深まると考えられる。 さらに、コーンビームCT(CBCT)のデータの解析を可能とするシステムの構築を開始した。CBCTを用いることによってこれまで別々に計測されていた歯列弓情報と骨情報とを同時に計測することができ、また3Dモデルの構築もより高精度に行える可能性が高まった。しかしながら、かなり高精度(高分解能)のCBCTが必要であることも分かってきた。歯および骨の表面形態を精度良く再構築するには0.2mm以下の解像度が必要であり、この基準を満たす装置は最新の上位機種に限られる。また、補綴物などがある場合、歯の形態異常など、CBCTデータでは正確に再構築できない場合は、口腔内を直接計測が可能なオーラスキャナの使用を試みた。より精度良い計測結果を得る目的で重ね合せアルゴリズムを再評価し、良好な計測結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高度な数学的知識が必要な場合が多かったが、ノースカロライナ大学の統計学教室のDr.Richからの協力によって幾つかの問題が解決できたことが、本研究の遂行に関して大きな助けとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究における顎運動四次元モデルの臨床的な応用を開始し、既存の顎運動解析システムとの比較により、本システムの有効性をより臨床的な立場から評価を行う。
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