2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎におけるTh17細胞の浸潤・活性化機構の解析
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21792123
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
細川 義隆 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90346601)
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Keywords | 歯周炎 / 歯肉線維芽細胞 / ケモカイン |
Research Abstract |
歯周炎はプラーク中に含まれる歯周病原性細菌により惹起される慢性炎症性疾患でT細胞を含む免疫担当細胞と線維芽細胞との複雑な相互作用によって病変が形成されていることが報告されている。T細胞の中でもTh1細胞ならびにTh17細胞は歯槽骨吸収に関与していることが示唆されている。本研究ではTh1細胞浸潤に関与しているケモカインであるCXCL10に着目し、ヒト歯肉線維芽細胞(HGF)からのCXCL10産生機構を解明することを目的として解析を行った。また、今回は刺激物質として歯肉溝浸出液中に存在が報告されている炎症性サイトカインの一つであるoncostatin M(OSM)を用いて行った。 この研究により、HGFはOSM刺激によりCXCL10産生が誘導されることを明らかとなった。また、OSMはIL-1βが誘導したKGFからのCXCL10産生を相乗的に増強した。さらに、OSMはHGF上のtype 1 IL-1βreceptor発現を増強し、IL-1βはOSM receptor β発現を増強することが明らかとなり、それぞれのレセプター発現を増強することがOSMとIL-1βが誘導するCXCL10産生の相乗的な増強作用に関与している事が示唆された。 これらの結果より、OSMは単独でHGFのCXCL10産生を誘導するだけでなく、IL-1βが誘導するCXCL10産生を相乗的に増強することにより、歯周炎病変局所へのTh1細胞浸潤を誘導している可能性が示唆された。ゆえに、OSMはTh1細胞浸潤を増強することにより、歯周炎における歯周組織破壊、特に歯槽骨吸収に関与していることが示唆され、OSMをターゲットとした歯周炎治療も考えられる。
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Research Products
(7 results)