2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792159
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
遠藤 眞美 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70419761)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔 / 口腔ケア / 口腔擦過細胞診 / 高齢者 / 要介護高齢者 / 口腔粘膜 / アセスメント法 / カンジダ菌 |
Research Abstract |
平成23年度の本研究において病院入院中または介護施設入所中の高齢者に対して行なった下顎左側歯肉の口腔擦過細胞診ではClass IIと診断された56.4%のうち77.4%でカンジダ菌を認めた.カンジダ菌を認めた者では菌が菌糸状構造を示し,細胞間や細胞集塊の中に菌糸を伸ばしている像やしわ状を呈する細胞に核周囲明庭など多数の異型細胞を認めた.しかし,カンジダ菌と細胞と関係は不明で,口腔ケアの評価に口腔擦過細胞診応用を検討する場合にはカンジダ菌による細胞への影響を知り,カンジダ菌を考慮すべきかどうか検索することは重要であると考えた.そこで,口腔ケアの評価基準作成に対し,口腔粘膜細胞とカンジダ菌との形態学的検討を透過型電子顕微鏡にて実施した. 口腔擦過細胞診実施時にスライドガラスに細胞を塗沫したサイトブラシを2.5%グルタールアルデヒド液内で撹拌し,通法に従い樹脂包埋を行ない電子顕微鏡観察の資料とした.電子顕微鏡像では,細胞間のデスモゾーム結合および細胞質内の中間フィラメントが多数観察され,中心部には厚い細胞壁を有する菌糸型のカンジダ菌と思われる物質が観察された.通常の光学顕微鏡観察結果ではカンジダ菌を認めた細胞像は良性異型細胞が多く認めたことから,細胞の変化によってカンジダ菌が菌糸を伸ばし細胞を貫通した可能性,カンジダ菌貫通による細胞変化の可能性,およびそれぞれが相互に影響している可能性を推測した. 本対象者の口腔内は口腔乾燥など口腔環境に変化を認めたことから,これらが細胞に影響したのかもしれない.本対象者のような要介護者に対する口腔ケアは単なる口腔清掃ではなく,環境や微生物などによる口腔内細胞の変化に対して積極的な対応が必要であり,ケア計画を決定する際には口腔粘膜細胞およびカンジダ菌を始めとする口腔内微生物やの状態なども含め評価していく必要があり,本法の応用は有用であると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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