2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792170
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉江 悟 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (00466880)
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Keywords | 看護学 |
Research Abstract |
1.既存資料からの意思決定支援の要素抽出 平成21年度に行った看護学領域の既存資料分析に加え、他領域においても意思決定支援に関連してどのような言及がなされているか、既存資料に基づき分析を行った。まず、社会福祉学領域では、ソーシャルワークの定義や専門性に関する文献や、ケースワークについての文献中に、クライエントの意思決定を支援する上で必要とされる技術や態度等に関する記述が多くみられた。看護師が医療処置の介助という直接ケアを担っているのに対し、ソーシャルワーカーは原則として直接ケアを担うことがないため、ソーシャルワークの専門性と相談業務を通じた意思決定の支援は強く関連付けて記述されていた。 また、認知心理学や経済学の領域では、人が行う意思決定の特徴についての論述が多くみられた。これらは意思決定理論として一定整理されていた。この中で、結果が不確実な場合の意思決定の例示において、医療に関連した意思決定が頻繁に用いられていた。意思決定理論はリスクコミュニケーションの領域にも応用されており、本研究の主題である医療における意思決定の支援とも強く関連を有するものと考えられた。 2.看護師による意思決定支援役割遂行のインタビュー調査 平成21年度に行ったヒヤリング及び上記の整理を踏まえ、看護師による意思決定支援役割遂行の実態を詳細に把握するため、質的インタビュー調査を開始した。意思決定支援の業務を担う比重の高い看護師を中心に協力を依頼し、各領域で必要とされる意思決定支援のための知識、技術、態度の異同を明らかにするものである。具体的な対象は、専門看護師、退院調整看護師、移植コーディネーター、臨床試験コーディネーター、ケアマネジャー等として働く看護師である。対象数は約30名であり、収集は本年度で概ね完了した。平成23年度には逐語録を用いた質的分析を予定している。
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Research Products
(2 results)