2010 Fiscal Year Annual Research Report
側臥位への体位変換後に生じるずれの実態把握と要因に関する研究
Project/Area Number |
21792172
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
橋本 みづほ 信州大学, 医学部, 講師 (60377629)
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Keywords | 看護学 / ずれ / 側臥位 |
Research Abstract |
昨年度は詳細な計画書を作成するため、体位変換に関する簡単な実態調査を近隣病院で行った。その結果、調査対象の全病棟の看護師が『側臥位への体位変換後に患者がずれる』と感じていることがわかった。さらに、看護師がずれやすいと感じている患者層は、『麻痺のある患者』『自ら体位変換可能な患者』『意識レベルが低下している患者』『安楽な状態でない患者』『頭部挙上のポジショニング患者』などであることがわかり、ずれの要因として、患者の意識レベルや活動量等に代表される内的因子と、ポジショニング等に代表される外的因子があることが確認された。そこで、研究実施施設を、このような患者が入院している某大学病院の集中治療室とし、研究者の所属施設の倫理委員会の承認後、データ収集を開始した。対象は褥瘡予防や体位ドレナージ等の目的で体位変換が行われている患者とした。書面と口頭による説明後、同意の得られた患者に対して、側臥位への体位変換後のずれ力・ずれ量・側臥位の角度等を調べ、臨床で実際行われている最大2時間までのずれの実態を把握した。また、患者の活動量(小型高感度加速度センサーによる微細な体動の検出)、意識レベル、疼痛の程度、MMT、BMI、体位支持具の素材と形状、頭部挙上の角度等のデータを収集した。なお、被験者本人に同意が得られない場合は、家族に説明をし同意を得た。今年度は6名の協力が得られ、機器の不具合による1例を除き、5名のデータを分析した。術後当日の患者2名、内科疾患の急性増悪による入室患者3名だった。後者3名はレスピレーター管理中で両手抑制をしていた。小型高感度加速度センサーによる活動量については、抑制中の手にデバイスを装着したこともあり、内的因子とずれとの関連を分析するまでには至っていない。また、時間経過と共にずれ力は増大する傾向を示し、通常行われている2時間までの体位変換の妥当性を検討すべく、更なるデータ収集が必要と考えられた。
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