2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792184
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
竹野 ゆかり 中部大学, 看護実習センター, 助手 (20509088)
|
Keywords | インドネシア / 看護師 / 日本 / 看護師移民 |
Research Abstract |
本研究は、日本で働く外国人看護師に対し、適切かつ十分な支援体制を整えることを目的としている。現段階では、そのために必要とされる情報収集を多方面から行い、日本で就労しようとしている外国人看護師が日本の医療や看護をどのように認識し、またどのような支援を求めているのかを調査する。今回の対象者は、外国人看護師の第1陣として来日しているインドネシア人看護師である。 平成22年度は、来日しているインドネシア人看護師候補者を対象としたインタビューを前年度より継続して行った。22年度末までのところ、東海地方で働くインドネシア人看護師候補者9人に対し、1.日本で働こうと思った目的、2.日本で働いた印象、3.日本とインドネシアの看護の比較、の3部で構成されている質問紙を用い、一人当たり1時間程度のインタビューを行った。その結果、ほぼ全員が日本で働くことに満足しており、日本の進歩した医療や管理体制を習得したいと考えていた。しかし、看護師国家試験に向けての勉強は難しく、もし国家試験に合格できなかった場合は帰国せざるを得ないという事実が、彼らを大きく不安にさせている一因となっていた。また日本での生活はイスラム教徒にとっては不自由なことが多く、食物やお祈りに関して不便を感じることがあるという意見が多く聞かれた。 2010年8月には、インドネシアの病院での研修を行ってきた。研修では実際に病棟に入り、病棟看護師とともに患者へのケアや病棟業務を行うことで、インドネシアの医療や看護の実情を理解することができた。結果としては、病院の中での看護師の役割が日本とは大きく異なることがわかった。日本との相違点があるということは、インドネシア人看護師が日本で働く上で障害となることも懸念されるため、特に注意や配慮が必要だと考えられる。 2011年3月は、第3国で就労するインドネシア人看護師を調査するためにクウェートにてインタビューを行った。中東は外国人看護師を多く受け入れており、イスラム社会ということもあり、インドネシア人看護師にとっては生活しやすい場である。クウェートで働いているインドネシア人看護師は、クウェートにて医療や看護を学びたいとは全く願っておらず、あくまでも経済的な理由を目的としていることがわかった。この結果はこれから分析し、まとめていく必要がある。
|