2011 Fiscal Year Annual Research Report
中堅看護師のキャリア・アンカーとメンタリングに関する実証的研究
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21792185
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
住田 陽子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (20458079)
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Keywords | キャリア・アンカー / メンタリング / メンター / 中堅看護師 / キャリア発達 / ワーク・ライフ・バランス |
Research Abstract |
本研究は、次の2つの仮説を検証することを目的として実施した。 (1)メンタリングはキャリア・アンカーの自覚に寄与する。 (2)メンタリングはキャリア・アンカーと実際の職務との適合に寄与する。 データ整理の結果、対象者3616人中、有効回答が得られた1232人のデータを分析の対象とした。有効回答率は34.1%であった。 現在、自身のキャリア・アンカーを自覚している者は31.3%、なんとなく自覚している者は49.3%であり、この両者で約80%を占める結果となった。キャリア・アンカーを自覚し始めた時期は看護経験年数5年目以降が約70%を占めていたことから、キャリア・アンカーは5-10年の仕事経験で知覚されるという定説が、看護界においてもほぼあてはまることが明らかになった。 キャリア・アンカーの自覚に最重要メンターが与えた影響は、「好影響」が24.1%、「やや好影響」が43.1%であり、両者で70%近くに上った。「やや悪影響」や「悪影響」と回答した者はごく少数であったものの、「影響なし」が31.3%を占めていた。 キャリア・アンカーと職務内容との適合の程度は、「全く適合している」が6.0%、「どちらかというと適合している」が60.8%であり、この項目もポジティブな回答である両者で70%近くに上った。 キャリア・アンカーと職務内容との適合に最重要メンターが与えた影響は、「好影響」が16.5%、「やや好影響」が38.3%であり、両者で50%超にとどまった。「やや悪影響」、あるいは「悪影響」と回答した者は、自覚への影響と同様にごく少数であったが、「影響なし」と回答した者は43.4%に上った。 以上から、「メンタリングはキャリア・アンカーの自覚、および職務内容との適合に寄与する」という仮説は概ね支持されたものの、最重要メンターは、キャリア・アンカーと職務内容の適合に対してよりも、対象者がキャリア・アンカーを自覚できるようにメンタリング機能を発揮していることが示唆された。
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