2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21792209
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
西尾 ゆかり 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (70437169)
|
Keywords | 2型糖尿病 / 血糖コントロール / 主観的睡眠 / 睡眠の質 |
Research Abstract |
【目的】2型糖尿病患者の主観的睡眠と血糖コントロールとの関連を明らかにする。 【方法】主観的睡眠(PSQI)、血糖コントロール状況(HbA1c)、PAID等を調査し、1年後に同じ調査を行った。データ分析は、SPSS18.0を使用した。 【結果および考察】対象者245名の同意を得て実施し、238名を分析対象とした。1年後の調査では、184名を分析対象とした。 調査1回目の対象者は、男性139名(58.4%)、平均年齢62.5歳、平均HbA1c6.6%であった。相関分析にてHbA1cと有意に関連があったのは「BMI」「糖尿病罹患歴」「睡眠の質」「睡眠時間」であった。次に、「睡眠の質」を高得点群(悪い)と低得点群(良い)の2群とし、t検定にて群間のHbA1cを比較した。高得点群のHbA1cは、低得点群よりも有意に高かった(p<0.05)。また、「睡眠時間」を「6時間未満」「6~7時間」「7~8時間」「8時間以上」の4群とし、一元配置分散分析を行った。「6時間未満」群のHbA1cは「8時間以上」群よりも有意に高かった(p<0.05)。睡眠には性差があることから、性別の「睡眠の質」「睡眠時間」における各群間比較を行った。女性の睡眠「6時間未満」群のHbA1cは「6~7時間」「8時間以上」群よりも有意に高かった(p<0.01)。次に、HbA1cを従属変数とし、他の項目を独立変数とした重回帰分析を行った。調査1回目は「BMI」「糖尿病罹患歴」「睡眠時間」が影響し、調査2回目は、「糖尿病罹病歴」「PAID得点」が影響していた。 以上より、主観的評価にて「睡眠の質」が悪いこと、「短時間睡眠」は血糖コントロールに関連することが示唆される。また、短時間睡眠の女性におけるHbA1cは高くなる傾向があることから、特に女性においては睡眠についても十分観察・アセスメントし、支援していくことが重要であると考える。
|