2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経突起形成におけるオートファジー関連タンパクAtg8ホモログの機能解析
Project/Area Number |
21800048
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西山 潤 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60508084)
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Keywords | オートファジー / 神経変性疾患 / 軸策変性 / 興奮毒性 |
Research Abstract |
オートファジーは、ユビキチン-プロテアソーム系と並ぶ主要な細胞内分解系である。近年、アルツハイマー病、パーキンソン病など様々な神経変性疾患にオートファジーが誘導されていることが報告され、注目されている。昨年度は、持続的なグルタミン酸受容体の活性化による細胞外からのイオン流入がオートファジーを誘導すること、及び誘導されたオートファジーが神経細胞死を抑制することをin vivoではじめて明らかにした(Nishiyama J, et al., J. Neurosci. 2010)。 オートファジーは神経変性の過程で特に軸索において顕著に活性が上昇するが、神経細胞における動態は不明であった。そこで今年度は、オートファゴゾームのマーカーであるLC3とGFPの融合タンパクが全身に発現するトランスジェニックマウスより小脳の移植片培養を作成することで、神経軸索におけるオートファゴゾームのタイムラプスイメージングを行った。本研究によりオートファゴゾームは、軸索内でダイニン依存的に逆行性輸送され細胞体でライソソームと癒合・消化されること、及びNMDA投与による神経活動の上昇によって顕著に活性化されることを見出した(Katsumata K, et al., Autophagy 2010)。これらの結果は神経細胞内でのオートファジーの動態をはじめて定量的に示しただけでなく、神経変性疾患で報告されている軸索でのオートファジーの活性化の病態を解明する上で重要な所見であると考えられる。また、昨年度発表した論文を含め、これらの結果を総説として報告した(Nishiyama J. Yuzaki M., Autophagy 2010)。
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Research Products
(3 results)