2010 Fiscal Year Annual Research Report
ステイクホルダーとの双方向コミュニケーションによる体育授業改善
Project/Area Number |
21800053
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
梅澤 秋久 帝京大学, 文学部, 講師 (90551185)
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Keywords | 体育 / 授業改善 / アカウンタビリティ / 双方向コミュニケーション / ステイクホルダー / ポートフォリオ / 専門職 |
Research Abstract |
教育におけるアカウンタビリティを維持し,高めるために採られる政策は,市場競争的アプローチ,意志決定の分権化アプローチ,管理的アプローチ,専門職的アプローチに分類される.ILO, UNESCOの勧告の通り教職は専門職である.しかし,専門職的アプローチによる授業改善,アカウンタビリティに関する研究は日本では皆無である. そこで本研究は,学校アカウンタビリティにおける専門職的アプローチが,体育授業改善およびアカウンタビリティにどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とした.その結果,次のような知見が得られた. ・学習者の授業評価の高さはアカウンタビリティに繋がらない可能性がある. ・一方向の説明"explanation"段階ではアカウンタビリティを十分に果たしているとはいえない. ・授業改善に資するための要因として,同僚性に基づく教員同士の学び合いや研究者からのアドバイス,専門書による高度な知識の獲得を礎に自身の授業実践を省察する力量形成が重要になると考えられる. ・教員がステイクホルダーの要望に応じる姿勢を有することは,教員自身が気づかない知見を得られることになる.また,教員は専門性を生かしたインフォームドコンセントを行うことでステイクホルダーに対して新しい学力観など授業を参観する視点を拡げることができると考えられる. ・インフォームドコンセントの内容,すなわちこれからの授業の方向性を専門職として全うすることで,ステイクホルダーに対して果たすアカウンタビリティは「正当化」"justification"段階となる.すなわち,ステイクホルダーとの合意調達と協働関係の構築を図ることが専門職的アカウンタビリティに繋がる.
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Research Products
(3 results)