2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21800078
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西手 芳明 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (00551706)
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Keywords | 人工透析シミュレータ / アクシデント再現方式 / アクシデント対処 |
Research Abstract |
当該研究は、人工透析装置の操作に関する医療事故の減少を目的として、アクシデント再現方式のシミュレータ開発を昨年度より継続研究している。シミュレータの基本構成部を完成させるため電磁弁や電磁弁コントローラ、再循環ポンプ(ペリスタリックポンプ)のシーケンサによる制御・動作の確認、調整を行った。それにより人工透析装置はシミュレータにより擬似血液を循環させ、臨床同様に治療状態である運転モードを再現することができた。その擬似血液の流量を電磁弁で制御することにより、シミュレータを設置した透析装置では、警報発生という形でアクシデントを擬似的に発生させることができた。 試験研究の結果、アクシデント(警報)の種類は。 (1)脱血不良(動脈・静脈圧低下、気泡)、(2)ダイアライザ閉塞(動脈圧上昇、静脈圧低下)(3)返血回路外れ(静脈圧低下)、(4)返血回路閉塞(静脈圧上昇)、(5)エアリーク(気泡)(6)血液リーク(漏血)であった。 さらに、警報発生から対処を行い治療状態に復帰するまでの経過時間を測定するタイマー機能も備えることができた。これにより対処時間をデータとして取ることが可能となった。 今後、透析室のベテランスタッフにシミュレータの再現状態をチェックしてもらい、検証しシミュレータと透析装置の警報発生状態のマッチングを確立させる。必要であれば修正や調整を行い、より臨床の状態に近づけていく。その後臨床応用可能かどうか、対処時間や経験年数、シミュレーション訓練回数などのデータを収集して検証・評価を行う。
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