• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2009 Fiscal Year Annual Research Report

障害者スポーツ体制の確立と展開に関する社会学的研究

Research Project

Project/Area Number 21800081
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)

Research InstitutionTokuyama University

Principal Investigator

渡 正  Tokuyama University, 経済学部, 准教授 (30508289)

Keywords障害者スポーツ / 歴史社会学 / スポーツ史 / パラリンピック
Research Abstract

これまで、障害者スポーツはリハビリからスポーツへの流れとして、パラリンピックを起点とする単線的発展として歴史化されてきた。このモデルの背後には次の認識が存在する。すなわち、障害者スポーツの普及・振興の進展が、障害者のスポーツ参加への機会の平等と、社会のノーマライゼーション等の進展、社会の変化の促進につながるとするものである。しかし、この認識には問題点が存在する。まず、イベントにおける理念(機会の平等)からの逸脱へ対処できない点であり、次に競技の高度化を志向したことで、社会全体の変革の志向性へ結びつかなくなったことである。以上の点は、我が国における障害者スポーツと60年代後半以降の社会運動の関係の希薄さ生み出したと考えられる。本研究ではこうした制度的状況を「障害者スポーツ体制」とし、分析・検討した。
本研究では、初代の障害者スポーツ協会会長である葛西嘉資の言説に着目した。葛西の存在は、パラリンピック開催に必要な資源を調達し、官公庁と民間の協力を可能にしたといえる。一方でこの葛西の影響力により、障害者スポーツは当事者団体としてより、福祉行政の一部を担う組織として成立・活動することになったといえよう。この葛西の影響力により、1964年のパラリンピックの開催とその支援体制の制度化である「障害者スポーツ体制」が生み出されたといえる。
ただし、葛西の初期の言説には注目すべき点が存在する。それが、パラリンピックの開催により、障害者を取り巻く社会的条件整備を目指すこと、すなわち、障害者スポーツをきっかけとした「社会変革」の志向性の存在である。しかし、この志向は、その後の障害者スポーツには反映されず、リハビリ・レクリエーションとしてのみ展開されることとなった。そうした障害者スポーツの福祉的あるいは、「スポーツ的」意味づけは、スポーツにおいても「障害者」の問題を個人化することにつながったといえる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 障害者スポーツ体制の確立と展開に関する社会学的研究2010

    • Author(s)
      渡正
    • Organizer
      日本スポーツ社会学会
    • Place of Presentation
      岩手大学(岩手県盛岡市)
    • Year and Date
      2010-03-29

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi