2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21820072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
是澤 範三 Kyoto Seika University, 人文学部, 講師 (20554075)
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Keywords | 日本書紀 / 圓威 / 台湾大学 / 桃木文庫 |
Research Abstract |
2009年秋に台湾を訪れ、国立台湾大学図書館所蔵の『日本書紀』写本三本(桃木文庫518,519、523)を披見した。その出版の意義を確認した上で、国立台湾大学図書館と交渉し、今後の調査およびそれを影印版として出版・刊行することの内諾を得ることができた。今回の調査で判明したこととして、当該三本の写本については、その重要性と保存上の配慮から、既に台湾大学図書館でweb上での非公開を前提とするデジタル化が行われており、その電子データをもとに翻字等を含む出版作業が進められるべき等の条件が提示された。また、第一段階として、三本の出版の優先順位を検討し、資料的価値が最も高いとみなされる圓威本(桃木文庫518)を第一として翻刻、解説等を付して出版することを提案し、了承された。帰国後、圓威本調査・出版のための「予定進度計画表」を含む契約書類を作成し提出、「国立台湾大学図書館所蔵利用の出版合作契約書」の調印に至った。これは、国立台湾大学図書館日本古典籍蔵書の出版に道を開いた亀井森(2009)「幕末京坂文壇の諸相解明-台湾大学「長沢文庫」・東京大学「本居文庫」調査を中心に-」(研究課題番号:20529005)および『長沢伴雄歌文集(1~3集)』(国立台湾大学図書館刊)の成果に続く第二弾として位置づけられるものであり、台湾に残る日本古典籍の出版、および日本と台湾との学術交流の発展を期待させるものである。出版は一年につき一冊の予定で行うが、最初となる圓威本の影印出版と、『日本書紀』古写本に関する研究文献目録の作成を、このたびの本科研費補助金による成果の直接の対象とする予定である。
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Research Products
(2 results)