2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランス近現代思想における身体論(愛・性・家族から見たその展開)
Project/Area Number |
21820074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
藤田 尚志 Kyushu Sangyo University, 国際文化学部, 講師 (80552207)
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Keywords | フランス近現代思想 / 身体論 / 愛 / 性 / 家族 |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は二つある。まず、DC2、PDで行なった研究プロジェクトをさらに深化させていくこと、これまでに扱いえなかった思想家・テクストを取り上げることで、我々がこれまで19・20世紀フランス思想に確認しえた、「(非)有機的」な(身体外技術を無際限に取り込んでいく)身体論の基本的な方向性をより精密に捉え直すこと。これに関しては、2009年10月に法政大学で行なわれた国際シンポジウムで、ベルクソンとドゥルーズの生気論的な政治哲学を比較する発表、また、2010年3月にまずは明治大学でベルクソンとシモンドンの想像力論・記憶論を比較する発表、次いで同月、福岡の九州日仏学館でベルクソンとドゥルーズの記憶論を比較する発表など計6つの発表を行ない、後に挙げる6本の論文を執筆・公刊することでその目的を一定程度達成したと考える。 次に、新たに取り上げるそれらのテクストを新たな観点から取り上げること、すなわちそれらのテクストにあらわれる身体論を「愛」「性」「家族」の側面から焦点化していくことで、フランス的身体論の可能性と限界を見定めることであった。これに関しては、2010年11月20日に九州日仏学館で、愛・性・家族の結節点としての「結婚」に関する哲学的な考察をめぐる国際シンポジウムを開催することで、自分自身発表するとともに、他の講演者(フレデリック・ケック、パトリス・マニグリエ、澤田直の各氏)との意見交換による、さらなる発展を期待しつつ、現在鋭意準備中である。そこでは「ポストセクシュアル」の観点が重要になると思われる。
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Research Products
(12 results)