2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会制度の生産と消費:韓国と日本の介護保険制度の比較研究
Project/Area Number |
21830016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 賢鮮 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 助教 (00542292)
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Keywords | 社会福祉政策 / 老人介護 / 韓国 / 日本 |
Research Abstract |
この研究の目的は新しい社会福祉政策が樹立される背景とその新しい制度に対する諸費者としての市民の反応を確かめるのである。2008年韓国政府は<老人長期療養保険>制度を導入した。これは韓国の老人介護問題に対する最も重要な社会制度である。韓国政府がこの制度を計画する時に一番重要なモデルになったのがにほんの介護保険制度であった。この研究は日本の介護保険制度の韓国バージョンとも言える老人長期療養保険がどんなプロセスを通じて採択されたのか、またその制度が多様な社会集団にどんな形で受け入れられたのかに対して日本のケースと比較して研究する。この研究はマクロレベルとマイクロレベルのデータコレクションを両方行う。そして2009年度の研究は二つに集中した。一つは韓国と日本で政府のオフィシャル文書、マスコムのリポート、社会制度の研究資料などのマクロ的なデータを収集する事、二つは、マイクロ的なデータ収集を目的とするフィールドワークを行うケース社会福祉施設の検索であった。その結果、次のようなことが分かるようになった。まず、韓国の老人長期養護保険制度と日本の介護保険制度の政策成立の過程の比較によると、日本に比べて韓国の場合政策形成に対する市民社会とマスメディアの影響が強くなかったことが明らかになった。また、日本政府に対して政策変更の重要な動機であった社会福祉支出の負担は、韓国の場合政策形成に反映されていなかったのを分かる。同じ形の政策でもその成立過程はすごく違う社会的なモメンタムで作られるのが見えるいい例になると思う。
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