2009 Fiscal Year Annual Research Report
歴史系博物館におけるデジタルストーリーテリングによる展示解説コンテンツの設計
Project/Area Number |
21830082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
李 ジュンヨプ Kyushu University, ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員 (90554163)
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Keywords | コンテンツ設計 / 博物館展示解説 / デジタルストーリーテーリング / インタフェースデザイン |
Research Abstract |
本研究は、次世代型ユビキタス博物館に向けた、モバイル機器を媒介とした来館者の主観的鑑賞を支援するコンテンツを設計し評価することを目標としています。来館者に感動を与えるため実現すべき真のインタラクションは、没入誘導型インタラクションにほかなりません。要するに理性より感性によるアプローチに注目していますが、その具体的方法として、展示物にまつわる裏話、歴史的背景、エピソード等のストーリーテリングによって来館者に関心と興味を持たせ、映像コンテンツや疑似体験できるコンテンツから学び、展示物に関する背景を十分に理解した上で、最後に実物への鑑賞を改めて誘導することによって心奥からの感動を引き起こすことを目指しています。 研究は九州国立博物館を実験対象館として展示解説の最新情報化を試みているため、世界のモバイル技術の動向や博物館の研究者達の意識調査が必要でした。そのため、日本だけではなく、韓国の中央国立博物館、LEEUM美術館、イギリスの大英博物館とテイト・モダン、フランスのルーヴル美術館など世界有数の博物館、美術館を訪れ、先進事例における調査・研究とそれらについての問題点や課題の抽出を行い、基本設計のための基礎データとしてまとめてきました。また、実際コンテンツの制作、設計に向けての準備段階として、九州国立博物館の学芸員、ボランティア等の博物館側の協力と、制作等に向けての学校側の体制を整えまして、定期的に協議を行い、コンテンツ企画を中心とした研究を進めてきました。そして、これまでの九州国立博物館との共同研究で得られた諸データを基に実際、運用が予想される携帯用展示解説端末にコンテンツを盛り込んで、機器導入の容易性、操作の便利性を考慮する等の検討を行い、その結果を2009年12月に国際学会のアジアデジタルアートアンドデザイン学会で発表しました。
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