2010 Fiscal Year Annual Research Report
歴史系博物館におけるデジタルストーリーテリングによる展示解説コンテンツの設計
Project/Area Number |
21830082
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
李 ジュンヨプ 九州大学, 芸術工学研究院, 学術研究員 (90554163)
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Keywords | 博物館 / 展示解説コンテンツ / ipad / ストーリテーリング |
Research Abstract |
本研究は、次世代博物館に向けての先導的展示解説コンテンツの設計を行い、多様化するメディアの変化に対応した展示ガイドを提案、検証することで、ミュージアム離れの進む若年層をはじめ、あらゆる年齢層の来館者が満足できる博物館体験の向上を目指す研究である。研究方法として多様なコンテンツ制作手法を用いて展示解説コンテンツを制作する一方、ストーリテーリングによる展示への能動的鑑賞を促すコンテンツを設計し評価を行った。具体的な実施内容としては、九州国立博物館の常設展示「海の道、アジアの路」展において、タブレット型PCのipadを導入し、展示没入誘導型コンテンツを制作し実証実験した。例えば、VR仮想現実、映像、音声、音楽、アニメ等の多様なデジタル表現手法を用いて、大人用のコンテンツとしては、デジタルコンパスによる展示ナビ機能を提供し、音声解説や展示物の立体仮想体験、関連映像等のコンテンツを実装した。また、子供用コンテンツは、探検ストーリーに基づいたゲーム、クイズ等のコンテンツを取り入れ、能動的な展示参加を目標にしたコンテンツとして作りあげた。九州国立博物館を訪れた来館者を対象にした評価の結果、設計者の我々にとっては展示施設における新しいメディアとしての十分な活用可能性と魅力的なコンテンツがもたらす集客効果を経験した。聞き手の来館者にとっては、展示への関心向上と情緒的経験を共有できることがわかり、展示解説コンテンツの教育的機能と娯楽的機能をサポートする、要するに学習と興味の両方を満足させる手段としての有効性が確認できた。コンテンツの多様化、最新メディアの導入、物語のある展示プランの企画は、来館者の足を呼び戻し、中・小博物館の活性化につながることを確信する。
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Research Products
(5 results)