2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21830162
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
長岡 さくら 駿河台大学, 法学部, 専任講師 (10550402)
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Keywords | 大陸棚限界委員会 / 大陸棚延長申請 / 紛争解決手続 / 海洋境界画定 / 国家の一方的行為 |
Research Abstract |
国連海洋法条約では、自国沿岸の大陸棚が200海里を超えて延びている場合、国家は基点から350海里を超えない点まで大陸棚を延長することが認められている。一方、UNCLOS及び同附属書に従って設置された大陸棚限界委員会は、200海里を超えて延びている大陸棚の外側の限界に関して沿岸国が提出したデータ等を検討し、国連海洋法条約第76条等に従い勧告を行う。しかし、これまでCLCSの活動内容等について紹介されることはあったものの、CLCSに内包される論点についての記述を見出すことは難しい。よって、本研究では、CLCSが行う勧告機能の国際法上の法的効果・影響について検討することを目的としている。平成22年度は、次の二点について検討を行った。第一に、CLCSが行う勧告機能自体の国際法上の地位について、CLCS及び国連海洋法条約締約国会合の会議文書及び学術的著述等を元に検討を行った。第二に、申請国あるいは申請国以外の第三国がCLCSによる勧告に対して意見の相違を持つ場合、これらの国家は国際法上いかなる措置を執りうるのかという点について、第三国が意見の相違をもったCLCSの勧告に対して執った措置及びそれに対するCLCS及び申請国の反応及び学術的著述を中心に分析・検討を行った。平成22年度中に発生した地震に伴う翌債のため、最終年度となった平成23年度は、本研究の総括を行った結果、CLCSの勧告に対する意見の相違を持つ国家やCLCSが第三者機関における紛争解決手続としてITLOSに勧告的手続を要請することが可能となりうること、また、国家がCLCSに対し大陸棚限界延長申請を行うとともにITLOSに対して隣接国との大陸棚境界画定問題について紛争解決を求めた際に、ITLOSによる意思決定がCLCSの勧告に対してどのような影響を与えるのかという問題が生じること、が判明した。
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Research Products
(3 results)