2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
下川 倫子 Setsunan University, 工学部, 任期つき助教 (80554419)
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Keywords | 粉体 / 相転移 |
Research Abstract |
今回、粉体の相転移現象を理解することを目指し、斜めの斜面に固定した容器に0.1mmのガラスビーズを入れ、斜面に対して垂直に振動加える実験を行った。この実験で粉体は重力に逆らって、斜めの斜面を登る。振幅を0-100まで変化させ、実験を行ったところ、振幅が大きいほど、粉体は登りやすくなる。また、2°,5°,8°,11°の4つの角度で実験を行ったところ、小さな角度ほど粉体は登り始めやすくなる。振幅が十分に大きなとき粉体はほぼ一様に斜面を登るが、80以下では角度によって粉体の坂道の登りかたが異なる。斜面角度が大きいものはあたかも水が沸騰するかのように、粉体によるクラスターが形成され、そのクラスターごとに斜面を登る。一方、角度が小さいものはクラスターを作ることなく、地面に水平に規則正しい粗密波を作り、粉体は上方に供給される。本実験は(1)上下振動という外力を加えることで粉体が流動化した結果であると同時に、(2)上方に登った粉体粒子同士の衝突によって運動量が失われ斜面途中で粉体が固化するという2つの現象によるものである。現在、粉体の相転移現象を理解する上で重要な粉体が坂道を登り始める直前での振幅、角度での粉体の揺らぎを調べている。また、粉体は非平衡系での物理現象を再現する最も単純なモデルのひとつといわれている。そのため、本研究は粉体の相転移現象のみでなく、非平衡系一般における相転移現象の理解にも繋がることが期待される。
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Research Products
(6 results)