2009 Fiscal Year Annual Research Report
液・固の相変化により超なじみ性を実現する包み込み式ロボットグリッパの研究開発
Project/Area Number |
21860034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多田隈 建二郎 Osaka University, 工学研究科, 助教 (30508833)
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Keywords | ロボットグリッパ / 機構 / 液・固 / 相変化 / 超なじみ性 / 包み込み式 |
Research Abstract |
本研究は,液・固の相変化を活用し,液体時には把持対象物の形状になじみ,固体時には強力に対象物を強力に保持するロボットグリッパの開発に関するものである. 具体的内容としては,試作機の開発を通して実機の性能向上につなげるという手法で研究開発に取り組むもので,まず手順として,チューブを外側から内側にかけて連続的に折り返した袋状構造体の内部に,低融点合金などを封入した構造を持つ機構の設計・製作を行い,実機実験を通して,機体の基本特性を得る.得られた基本特性より,さらに性能を向上させるための設計を施すというサイクルを繰り返す.本研究開発対象となるロボットグリッパは,従来には無い,なじみ性の高さ・強力な保持といった,二つの相反する特性を,相変化により兼ね備えた著しく有用なグリッパ機構である.このグリッパの研究は,学術的原理のみならず,実用を見据えた実機を生み出すという点で,極めて高い意義がある. 今回機構設計した試作機を用いた実験を通して,内外連続式袋状構造体の耐久性と,グリッパ機構の把持応答性の向上の必要性が明らかとなった.そこで,袋端部の固定部におけるクランプ構造の改良と,内部封入する物質の多様性を導入した.低融点合金を用いる以外にも,液体・固体の相変化を起こさせるのに,過冷却現象を用いることで,応答性を高めることに成功している.この過冷却現象を用いた応答性の向上は,本研究における一つのブレークスルーとなる成果であることはもちろん,これからのロボット分野においても高い重要性を持つと考え,さらに研究に取り組んでいる.
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