2010 Fiscal Year Annual Research Report
外部磁場による磁性カーボンナノチューブのマニピュレーション
Project/Area Number |
21860072
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
長岡 豊 東洋大学, 理工学部, 助教 (90531880)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / マニピュレーション / 回転磁場 / ナノマシン |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)はその特異な性質から材料科学・ナノエレクトロニクスなど多岐にわたる応用が期待されている。しかし、ナノ・マイクロ領域では溶液に分散されたCNTの正確な運動・位置の制御(マニピュレーション)は技術的に困難である。そこで、本研究はCNTの内部に鉄原子が内包された"磁性カーボンナノチューブ"に着目し、外部磁場による磁性CNTのマニピュレーション手法の開発を目的とした。昨年度まではCNTが分散されている溶液に蛍光試薬を混合し、落射顕微鏡で溶液を発光させ、CNTの運動の様子を観察していた。しかし、S/N比が低く、CNTの運動を鮮明に観察できなかった。そこで本年度は、磁性CNT表面へ直接、蛍光分子である1-pyrenebutanoic acid,succinimidyl ester(以下PSE)を吸着させ、CNTの観察を試みた。この蛍光分子は4つの芳香環から成るピレンブタン酸部分がCNT表面へ、π-π相互作用により吸着することが知られている。このPSEを磁性CNTに吸着させた分散溶液を磁性基板のあるセルに封入した。ここに、回転磁場を印加し、落射蛍光顕微鏡で観察したところ、昨年度の結果より鮮明に磁性CNTの運動の様子を可視化することが可能となった。また、PSEの、スクシンイミジルエステル部分はアミド結合を介し種々のタンパク質を固定化することが出来る利点もある。このことから、磁性CNTの表面修飾が容易に行えるため、CNTを利用したドラッグデリバリーやバイオセンサーなどへの応用の可能性も考えられる。
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Research Products
(3 results)