2009 Fiscal Year Annual Research Report
CVDダイヤモンドコーティングされた複雑形状面のメカノケミカルポリッシング
Project/Area Number |
21860096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
藤巻 研吾 Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute, 研究員 (70537274)
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Keywords | ダイヤモンド / メカノケミカルポリッシング |
Research Abstract |
本研究は、金型など複雑な形状を有するCVDダイヤモンドコーティング面に対応可能な研磨技術を新たに開発することを目指している。初年度は、CVDダイヤモンド膜のメカノケミカルポリッシングの研磨特性の検証のため、基本的な実験を行った。まず、ステンレス製のディスク状回転研磨工具を用いて実験を行った。その結果、約2000m/minの摺動速度においてCVDダイヤモンド膜を表面粗さ0.3μmRz以下に仕上げられることを確認した。しかし、回転研磨工具の半径方向の回転振れ等により回転研磨工具が研磨面上で跳ね上がる現象が発生し、CVDダイヤモンド膜の所々に剥離・チッピングが生じた。そのため、研磨面への過度な衝撃を避けるために、回転研磨工具をディスク状のものから緩衝性の高いブラシ状のものに変更し、同様の実験を行った。その結果、CVDダイヤモンド膜に剥離・チッピングを生じることなく、CVDダイヤモンド膜表面の凸部から徐々に研磨されていく様子が確認された。しかし、CVDダイヤモンド膜表面の半分ほどの面積が平滑化されたところ(半分ほど平滑化されていない凹部が残った状態)で著しく研磨速度が低下する現象が生じた。これは、研磨面が平滑化して摩擦抵抗が下がったことで、研磨面と回転研磨工具の摩擦による発熱量が小さくなり、ダイヤモンドと回転研磨工具材料の熱化学反応に必要な温度に至らなくなったことが原因と考えられる。特に、ブラシ状回転研磨工具を用いる場合には研磨面への押し付け圧力が小さくなるため、この影響が顕著に生じるものと考えられ、次年度の研究実施に向けて、解決すべき課題が明らかになった。
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