2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21870022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高岡 勝吉 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 助教 (90551044)
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Keywords | 着床 / 発生 / 遺伝子 |
Research Abstract |
我々ヒトやマウスといった哺乳類は、極性がない受精卵から発生を開始し、極性を持った個体として産生される。つまり、哺乳類は発生段階において極性を獲得すると考えられている。では、いつどのようにして哺乳類は極性を獲得するのだろうか? 申請者は哺乳類胚が極性を獲得する機構を解明すべく、第一段階として、マウス胚において一番早期に形成され、その他の背腹・左右軸の形成の基となる前後軸に着目した。そしてこれまでに、受精後5.5日胚であると考えられてきた前後軸の起源は、少なくとも受精後4.5日胚におけるLefty1発現細胞まで遡れることを発見した。具体的には、胚の前後方向を決定する細胞群DVE(Distal Visceral Endoderm,遠位臓側内胚葉)標識遺伝子であるLefty1が、胚盤胞の一部の細胞で発現していることを発見した。 今年度、若手スタートアップの研究支援を受け、実験を行った結果、さらに詳細な細胞系譜の解析により、これまで受精後5.5日で形成されると考えられてきたDVEは、少なくとも受精後4.5日胚におけるLefty1発現細胞まで遡ることができること、加えて、これまで同じ細胞系譜と考えられてきたDVEとAVE(Anterior Visceral Endoderm,前側臓側内胚葉)が実は異なる細胞系譜であることを明らかにした。これらは、前後軸形成の従来のモデルを覆す世界的な発見である。
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Research Products
(4 results)