2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21880016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細谷 将 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特任研究員 (60526466)
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Keywords | トラフグ / 成長速度 / 交雑種 / QTL解析 / BAC |
Research Abstract |
生物のサイズは種によって決まっているが、その決定機構はほとんど不明である。本研究では、魚類における種特異的な体サイズを決定するゲノム領域を特定することを目的とする。実験魚には、成魚の体長が70cmに達するトラフグと、その近縁種であるものの体長が20cmに満たないクサフグの雑種第2世代を用いる。具体的には、両種の成長速度の差に注目して、その差に影響する遺伝子領域をトラフグの充実したゲノム研究基盤を活用した高解像度連鎖解析により特定する。本年度は、トラフグとクサフグの雑種第1世代同士(F_1)を交配した雑種第2世代(F_2)に加えて、F_1雄とクサフグ雌とを戻し交配して得た集団(BC)についてQTL解析を行った結果、両種の成長速度に差をもたらすゲノム領域を連鎖群A上の単一領域に同定するに至った。本領域は、およそ3Mbpに相当し、およそ100個の遺伝子を含む。また、特定したゲノム領域内に存在する成長速度決定遺伝子の候補の機能解析を行うために、当該領域内をカバーする複数のトラフグ人工染色体(BAC : Bacterial Artificial Chromosome)を選定した。これらのトラフグBACのうち、クサフグに導入して遺伝子導入クサフグの成長を促進するようなBACに目的の遺伝子があると考えられる。そこで、現在は、BACを高効率で導入するため、BACクローンの修飾を行っている。来年度のクサフグ産卵期までに全BACの修飾を完了し、これらのBACをクサフグに導入する予定である。
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