2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸性アミノ酸をN末端基質とする新規L-アミノ酸リガーゼの取得とその応用
Project/Area Number |
21880045
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新井 利信 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00547622)
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Keywords | L-amino acid ligase / peptide synthesis / plumbemycin |
Research Abstract |
L-アミノ酸リガーゼ(Lal)は無保護のアミノ酸をATPの加水分解反応と共役して直接連結することが可能な微生物酵素であり、Lalを利用したペプチド合成法は、効率的で環境負荷が少ない革新的な製造法として注目されている。本研究では、酸性アミノ酸(Asp)を含むトリペプチド性抗生物質プランベマイシン(Ala-Xaa-APPA:A,Asp;B,Asn)を生産するStreptomyces plumbeusに着目し、Aspを基質とし得るLalの取得を検討した。まず、プランベマイシンはペプチド性抗生物質リゾクチシンと同様にAPPAを構造中に含むことから、リゾクチシンと同様の生合成機構によって生産されていると推察した。既に我々が取得しているリゾクチシン生合成遺伝子クラスター中の14個のORFから該当する類似酵素との保存領域を推定し、S.pi umbeusのゲノムDNAを鋳型として、縮重プライマーを用いたPCR法によるプランベマイシン生合成遺伝子クラスター断片の増幅を行った。様々な遺伝子断片の取得に成功し塩基配列解析を行ったが、生合成遺伝子クラスターならびに推定Lal遺伝子を取得するには至らなかった。これと同時に、ショットガンクローニングによる遺伝子クラスターの取得、ならびにNRPS(nonribosomal peptide synthetase)のAドメイン保存領域を用いた遺伝子断片の取得も試みた。前者では、スクリーニングにて陽性を示す遺伝子断片取得には成功したが、最終的に目的とする遺伝子を取得するには至らなかった。一方、後者でも幾つかの遺伝子断片の取得に成功したが、同様に酸性アミノ酸を基質とする目的遺伝子ではなかった。しかしこれまでの経緯から、プランベマイシンもLalなどのNRPS以外のペプチド合成酵素を含む生合成システムによって生産されていると示唆された。
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Research Products
(5 results)