2009 Fiscal Year Annual Research Report
ECRプラズマ酸化法による超親水性チタニア・インターフェイスの開発
Project/Area Number |
21890015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
折居 雄介 Tohoku University, 病院, 医員 (90549320)
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Keywords | インターフェイス / インプラント / チタン / OCP / 表面改質 |
Research Abstract |
本研究は,歯科用インプラントとして用いられているチタン基板上に,電子サイクロトロン(ECR)プラズマ酸化法によりチタン基板表面に,酸化条件を変化させることによる様々なチタニア膜を析出させ,その膜性状・形状の違いによる生体親和性および細胞親和性への関連を明らかにすることを目的として行い,以下の結果を得た. エポキシ樹脂と金属製スタッドによるチタニア膜の膜強度測定では,酸化時の基板加熱温度の上昇に伴い300℃でピークの650kg/cm2,それ以上の基板加熱温度ではチタン基板とチタニア膜は熱膨張率が異なるため基板加熱温度が高いとチタニア膜はダメージを受けてしまうため,膜強度は減少し,600℃では200kg/cm2まで減少した.この実験結果より基板加熱温度600℃以下ではインプラントに必要な膜強度である230kg/cm2を大きく越えるチタニア膜の析出が示唆された. 濡れ性試験では酸化時の基板加熱温度の上昇に伴い基板加熱温度300℃で接触角10°以下,450℃以上では接触角0°という超親水性チタニア膜の動態をしめした.この超親水性はインプラント埋入時の血液および細胞・タンパクとの高い親和性が得られ,早期のオッセオインテグレーション獲得が期待される. 以上の結果より,今後はチタニア膜の膜強度が得られる酸化時基板加熱温度が300℃以下の低温での超親水性チタニア膜の析出条件を模索する予定である.
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Research Products
(2 results)