2009 Fiscal Year Annual Research Report
基底膜プロテオグリカンによる歯の形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
21890019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
相澤 志津子 Tohoku University, 病院, 医員 (80528092)
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Keywords | 歯の再生 / 基底膜 / プロテオグリカン / パールカン / 幹細胞 |
Research Abstract |
基底膜は、組織構築に必須の分子膜であり、細胞の分化や機能維持に重要な役割を演じている。本研究では、歯の発生過程において、基底膜の主要構成成分であるヘパラン硫酸プロテオグリカン(パールカン)の分子機能を明らかにすることが目的である。基底膜分子で唯一その機能が明らかになっていなかったパールカンの解析は、きわめて重要な位置づけと考えられる。パールカンを対象とした研究は、現在まで機能的な解析はほとんど行われておらず、その組織内発現を免疫組織学的に解析したものがほとんどであった。それは、個々のパールカン関連遺伝子が、他の分子群と比較して巨大であること、またそれぞれの欠損マウスが胎性致死であることから、組織発生学的な解析が困難であったことが挙げられる。 そこで本研究では胎生致死である当遺伝子欠損マウスを、世界的にも新しい手法でレスキューしたマウスを用いて、今までブラックボックスであった分子機能の同定を行うことを目的とする。さらに、本手法を用いた解析により、歯髄幹細胞(歯原性間葉細胞)の調整に有効な基底膜分子の同定と機能解析を行う。さらに、パールカン分子の歯胚発生過程における役割を明らかにし、本分子を用いた歯髄幹細胞の大量調整法開発を試みる。 これらの知見を用いて新しい歯の再生法の開発を試みる。これらの結果により、歯胚由来細胞の適切な培養に必要なスキャフォード(足場)の構築を行うことができ、さらに再生・歯科両方への応用を目指すことで再生・歯科医療の発展へ大きく貢献できることが期待される。
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