2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
守田 陽平 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任助教 (30531446)
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Keywords | 造血幹細胞 / 分化 / 移植 |
Research Abstract |
造血幹細胞の初期分化能を解析する事を目的として、造血幹細胞分画に存在する特定の分化能のみを持つ前駆細胞の同定を試みた。マウス骨髄細胞中に存在するCD41^+CD150^<high>CD34^-KSL細胞(CD41+細胞)、CD41^-CD150^<high>CD34^-KSL細胞(CD41^-細胞)をソーティングし、10個ずつ致死量放射線照射したマウスへ移植を行った。その結果、CD41^-細胞が造血幹細胞活性を示したのに対して、CD41^+細胞はドナー由来細胞の割合が低く、また骨髄球系に偏った分化能を示し、CD41抗体によって造血幹細胞と骨髄球系に限局した分化能を持つ造血前駆細胞とを分けられることを示唆するデータを得た。また、同細胞を用いて液体培地によるコロニーアッセイを行ったところ、コロニー形成率には大きな違いは見られなかったものの、CD41^+細胞は骨髄球系の多分化能を示すmixコロニーを形成する細胞、CD41^-細胞には未熟な形態のblast様コロニーを形成する細胞を多く含んでいることが明らかとなった。一方で、in vitroにおいてリンパ球系への分化能を解析するため行ったTSt-4細胞との共培養は、現在までのところシングルセルによる分化が誘導されず継続して行っている。 これらの一連の結果は、最も未熟な造血幹細胞分画に存在する骨髄球系の分化にのみに限局した前駆細胞を同定するとともに、これらを除くことによって造血幹細胞をさらに純化できる可能性を示めしていると考えられる。
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