2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜由来幹細胞シートを主軸とした歯周組織再生療法に関する研究
Project/Area Number |
21890076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 郁文 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 医員 (00549941)
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Keywords | リン酸カルシウム骨セメント / 歯根膜シート / 歯槽堤増大術 / 動物実験 / 歯周病 / 細胞組織工学 |
Research Abstract |
新たな歯周組織再生療法の分野において、再生能を持つ幹細胞と安全に移植できる人工埋植材を応用した治療法の確立を目的として研究を行った。本年度は、歯周組織の再性能を持つ細胞の応用として歯根膜細胞シートのさらなる詳細な検索と、人工埋植材としてリン酸カルシウム骨セメントの歯周組織再生への可能性について検討した。歯根膜細胞シートについては、これまでに確立した方法により作成した歯根膜シートにおいて、細胞が発現しているマーカーの検索をPCR法にて行った。PCR法により、歯根膜細胞シートで発現しているマーカーの検索を行う意義は、これまでに確立した歯根膜細胞シートが、移植後の生体内でどのような効果を持っているのかを知る重要な手掛かりとなる点にある。現在の段階では、歯根膜細胞シートの作成には成功しているが、具体的に生体内でどのようなプロセスで再生を促しているかについて、その詳細は明らかではない。よって今後の成果のために重要な研究であり、その結果は現在論文投稿中である。一方、リン酸カルシウム骨セメントについては、イヌ顎堤に作成した骨欠損モデルを用いて、失われた歯槽骨の再生について実験を行い、論文を発表するに至った。その結果、リン酸カルシウム骨セメントは歯槽堤増大術において有意に歯槽骨を増大させた。本実験の意義は、リン酸カルシウム骨セメントが実際に生体内で硬組織の新生に効果があるかどうかを確かめることにあった。現在、臨床で使用することが認められている人工埋植材は限られており、今後は細胞と人工材料を併用した新しい再生医療が注目される可能性がある。本研究では、再生能をもつ細胞と、臨床で使用できる人工材料の両方の効果について調べることができた。
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Research Products
(1 results)