2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜由来幹細胞シートを主軸とした歯周組織再生療法に関する研究
Project/Area Number |
21890076
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 郁文 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (00549941)
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Keywords | 歯科用光干渉断層診断装置 / OCT / 歯槽骨 / 歯周病 |
Research Abstract |
新たな歯周組織再生療法の分野において、再生能を持つ幹細胞と安全に移植できる人工埋植材を応用した治療法の確立を目的として研究を行った。一方で、歯周組織再生療法の分野では、未だ臨床研究が進んでいない。その理由として、臨床研究においては動物実験と異なり組織学的な評価が難しい点が挙げられた。臨床研究の場においても歯周組織の断層像を確認する必要があると考えられた。本年度は、将来的な歯周組織再生療法の臨床結果の評価へ向け、臨床研究においても歯周組織の断層画像を得られる、歯科用光干渉断層診断装置(OCT)の応用について歯周組織を中心として研究および発表を行った。生体への被曝や侵襲のない歯科用光干渉断層診断装置(OCT)は、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像法(MRI)、超音波に加え、歯周治療においても臨床応用が非常に期待されている。本研究は,歯周組織断層画像をOCTにより撮影し、歯周組織の解剖学的な評価について検討した。OCTにより、エナメル質、象牙質、歯肉、歯根などの歯周組織の解剖学的構造物が同定可能であった。これらの結果から、OCTを用いて得られる断層像は基本的な歯周組織の同定に応用できる可能性が示唆された。本研究の意義として、歯槽骨の位置や形態も非侵襲的にとらえることができるため、これまでは、動物実験でしか得ることのできなかった断層像から歯周組織再生療法の評価が可能になると期待される。現在の段階では、歯根膜細胞シートの作成には成功しているが、具体的に生体内でどのようなプロセスで再生を促しているかについて、その詳細は明らかではない。今後、臨床応用に向けてより臨床応用可能でより詳細評価方法の確立が必要である。
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Research Products
(3 results)