2009 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン添加型バイオミメティック人工骨による骨再生促進効果
Project/Area Number |
21890159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 歩 Hiroshima University, 病院, 歯科診療医 (10555155)
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Keywords | 骨再生 / 生体材料 |
Research Abstract |
現在臨床では,自家骨,同種他家骨,異種骨などとともに生体材料が用いられている.自家骨は優れた骨形成能を持ち,自己から採取されるため免疫応答の問題もなく理想的な骨移植材といえるが採取できる骨量が限られることなどの問題がある.このような状況の中で,自家骨に替わる高い安全性と確実な骨形成能を有する骨移植材の開発が強く望まれている.そこで申請者は生体骨組織に存在する生体アパタイトに類似した炭酸アパタイト(Carbonate Apatite:CA)に着目し,生体内の骨中の有機質の主成分であるタイプIアテロコラーゲンを組み合せたバイオミメティック人工骨である炭酸アパタイト・コラーゲン複合体(CA-CS)に組織再生の鍵となるサイトカインの併用を着想し,より高い骨形成能を有するサイトカイン添加型炭酸アパタイト・コラーゲン複合体人工骨の開発を目指すこととした.本年度はCA-CSに添加するサイトカインの有効濃度の検討およびMC3T3-E1を用いたin vitroでの細胞増殖数の測定および骨形成能の評価を行なった.繊維芽細胞成長因子(bFGF)および遺伝子組替えヒト骨誘導タンパク質(rhBMP-2)のCA-CSへの添加条件の評価を行なった後,MC3T3-E1を用いたCA-CSの細胞増殖促進効果の評価として細胞増殖数を測定した.結果,サイトカイン添加群は非添加群と比較し,有意に高い増殖数を示した.今後はさらに生化学的およびin vivoにてその骨形成能の評価を行い,サイトカインとの併用により高い骨形成能を獲得できる材料を開発することを目指していく.
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