2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管異常収縮の原因分子であるスフィンゴ脂質の産生経路の解明
Project/Area Number |
21890166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高田 雄一 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 非常勤研究員 (00549016)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / 活性酸素 / マクロファージ / 血管異常収縮 |
Research Abstract |
本年度は、血管異常収縮の原因分子であるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)が、活性酸素(その中でも特にOHラジカル)依存的にスフィンゴミエリンから産生されることを、分子レベルおよび細胞レベルで証明するため、それぞれ検討をおこない、以下の研究成果を得た。 1) 分子レベル:酵素を含まない溶液中で、OHラジカルとSPCが実際に産生されることを直接証明するため、OHラジカルについては、スピントラップ剤(DMPO)を用いた電子スピン共鳴測定法により定量化し、また、SPC産生については、SPC安定同位体元素標識体(SPC-d3)を内部標準物質としたLC-MS/MS(MRMモード)測定法を用いて検討した。結果としては、鉄イオンと過酸化水素を含む酸性溶液中でOHラジカルが産生され、さらに、そのOHラジカル産生条件下において、SPCが著明に産生されることが判明した。 2) 細胞レベル:本研究では、SPC産生メカニズムの基盤として、酸性環境かつ過酸化水素が豊富な、マクロファージのライソゾーム中における赤血球消化を想定している。そこで、ボルボールエステル(PMA)刺激により、ヒト単球系細胞株であるTHP-1をマクロファージ様細胞に分化させた後、赤血球を貧食させ、経時的にSPC産生量を測定した。現在、予備的実験段階ではあるが、赤血球添加12時間後以降において、確かにSPC産生量が増加していることが証明された。さらに、鉄イオンを含まない赤血球ゴーストを用いて同様の実験を行った場合には、SPC産生量は増加しないことが判明した。以上により、SPC産生経路として想定した仮説が、分子レベルでも細胞レベルでも、正しいことが証明された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Purification and focused proteomic analysis of lipid rafts which mediate human vascular smooth muscle(vsm) Ca^<2+> -sensitization2009
Author(s)
C.Wang, H.Kishi, A.Torikai, Y.Maeda, H.Kawamichi, K.Kajiya, Y.Takada, D.Tokumori, M.Nakashima, S.
Organizer
The American Society for Cell Biology 49th Annual Meeting
Place of Presentation
San Diego, CA
Year and Date
20091205-20091209
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