2009 Fiscal Year Annual Research Report
多発性嚢胞腎の新たな発症機序の解明~腎近位尿細管のPTENとEGF受容体の役割~
Project/Area Number |
21890170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長井 幸二郎 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40542048)
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Keywords | PTEN / 多発性嚢胞腎 |
Research Abstract |
ヒト多発性嚢胞腎に類似した病態を示すマウスモデルである近位尿細管特異的PTENノックアウトマウスを作成、解析するとともに、EGF受容体を同時にノックアウトさせ、新たな発症機序の解明を目指した。まずはPTENノックアウトマウスの組織の評価を行った。嚢胞形成のメカニズムとしてまずは細胞増殖をKi67の染色で評価し、PTENノックアウトマウスにおいて、近位尿細管において少なくとも生後3ヶ月には有意に細胞増殖がすでにふえていることが確認された。また同じく嚢胞形成のメカニズムとして重要なアポトーシスをTunnel染色にて検討し、やはりPTENノックアウトマウスでは近位尿細管においてアポトーシスが増加しているもののその程度はきわめてわずかであり、嚢胞形成には細胞増殖が主軸となっていることが示唆された。また嚢胞形成と強い因果関係を証明されているciliaの形態の解析をすすめるため、ciliaのマーカーであるacetylated α-tubulinと、近位尿細管マーカーであるLTAとで二重染色し、近位尿細管細胞にあるciliaの数を検証したところ、その数はコントロールと比べて差がなかった。また、電子顕微鏡にてciliaの長さ、形態を検討したところ、やはりコントロールと有意差を認めなかった。以上からこのモデルではciliaの形態変化が嚢胞形成の原因となっているわけではないことが示唆された。現在同時並行してEGFR受容体floxedマウスを手に入れ、PTEN/EGFRダブルノックアウトマウスを作成中である。
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