2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いたInv細胞内局在機能の解明
Project/Area Number |
21890221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
福井 一 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (80551506)
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Keywords | 発生・分化 / 小型魚類 / 繊毛 |
Research Abstract |
Invは繊毛基部に局在するが、Invがいつ、どのように、どこで機能するのかは未だに不明である。本研究はInv細胞内局在と生理的機能の関連について、ゼブラフィッシュを用いた生体レベルでの解明を目的に研究を行っている。本年度、Invが有するカルモジュリン結合領域(IQドメイン)の機能について検討した結果、Invが生体レベルで正常に機能するにはIQドメイン依存性の繊毛局在が必要であることが示唆された。以下に結果を記載する。 まず、InvにはIQドメインが2つ存在するため、これらのIQドメインを欠失したマウスInvコンストラクト(mInv△IQ)を作製した。Inv^<-/->マウス由来腎尿細管上皮細胞株を用いて細胞内局在を検討したところ、mInv△IQは繊毛に局在せず、細胞質内に留まることを見出した。また、ゼブラフィッシュ野生型Inv (zInvWT)とIQドメインを欠失したInv (zInv△IQ)を作製し、細胞内局在を検討したところ、zInvWTは繊毛に局在するが、zInv△IQは繊毛に局在せず、基底小体に局在した。次に、Invに対するモルフォリノ(in vMO)をゼブラフィッシュ初期胚へ注入し,Inv機能を阻害すると、嚢胞腎およびcurly tail downといった染毛異常に特有の表現型が生じた。zinvWT mRNAを作製しin vMOと同時に初期胚へ注入すると表現型異常は改善された。しかし、IQドメインを欠失したzinv△IQ mRNAをin vMOと同時に注入したところ、表現型異常は全く改善されなかった。以上より、Invが正常に機能するにはIQドメイン依存性の繊毛局在が必要であることが示唆された。IQドメインは他の繊毛タンパク質にも存在することが知られ、Inv以外の分子にも類似の制御機構が働く可能性が考えられる。IQドメインが繊毛局在・機能の制御に関与することは初めて見出されたものであり、繊毛機能の解明へ向けて重要であると考える。
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Research Products
(4 results)