Research Abstract |
Pokemon(POK erythroid myeoloid ontogenic factor ; LRF,OCXF,FBI1とも呼はれる)は,転写抑制因子で,胚の発生や分化,増殖に必要とされている.近年,肺がん細胞において,このPokemonが過剰発現していることが分かり,このPokemonの過剰発現が原因で,発がんまたはがんの維持に重要な役割をしていることが報告された.Pokemonはがん抑制遺伝子ARFの発現を調節しており,その下流に存在するp53に関与し,がん化を引き起こす. 本研究では,この過剰発現しているPokemonを標的とした分子標的治療薬の創製を目指し,本研究に合ったスクリーニング系の構築,天然資源ライブラリーからの活性化合物の探索および最適化を行なう.アッセイ系として,転写抑制因子Pokemon自体の発現を測定する糸(評価糸A),およびPokemonによる転写活性を測定する系(評価系B)を考案した. 平成21年度は,アッセイ系の構築として,Pokemon自体の発現量を測定するアッセイ系を構築(評価系A)および検証を行たった.構築した本アッセイ系が正しく機能しているかを確かめるためPokemonのプロモーター活性を阻害するとの報告があるcurcuminを用いて検証したところ,Pokemonの発現量の低下を確認した. 続いて,当研究室保有の植物抽出物ライブラリーを用いてスクリーニングを行なったところ,96検体のうち,7検体にPokemonの発現量低下がみられた(1^<st> screening).次に,これら活性を示した検体について,Western blotting法により,Pokemonの発現量の確認を行い,その活性を確認した(2^<nd> screening).平成22年度では,活性を示した植物抽出物について,活性を指標とした分離を行なうことで,活性本体の構造を,NMRやMS等の分光機器により明らかにしていく予定である.
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