2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
守田 真基子 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (60530491)
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Keywords | 大腸がん / 大腸腺腫 / 酸化ストレス / 分子疫学 / 遺伝子多型 / スーパーオキシドディスムターゼ / カタラーゼ / グルタチオンペルオキシターゼ |
Research Abstract |
酸化ストレスは、DNA損傷に起因する遺伝子変異を惹起し、発がんに重要な役割を果たしている。生体内には、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンペルオキシターゼ(GPX)等の、酸化ストレスを消去する抗酸化システムに関わる酵素や蛋白が存在する。本研究では、酸化ストレスの大腸発がんへの影響を明らかにする目的で、抗酸化ストレス関連遺伝子の機能的遺伝子多型と大腸前がん病変である大腸腺腫との関連を検討した。本研究はDNA試料及び調査資料が整備されている自衛官研究データベース(研究責任者:九州大学大学院医学研究院・古野純典)を活用したものである。研究対象者は、1997年1月から2001年3月の期間に福岡または熊本の自衛隊病院において定年退職前健康診断を受けた男性自衛官である。解析対象は組織学的に大腸腺腫と診断された大腸腺腫症例445名と全大腸内視鏡検査でポリープ病変を認めなかった対照1052名である。機能的多型であるMnSOD 47T>C(rs4880)とCAT-262C>T(rs1001179)、及び大腸腺腫との関連が報告されているGPX1 594C>T(rs1050450)について多型解析を行った。各多型の遺伝子型はPCR-RFLP法によって決定した。遺伝子多型と大腸線種との関連はオッズ比により検討し、多重ロジスティック解析により関連要因の調整を行った。3つの遺伝子多型はいずれも大腸腺腫との明らかな関連を示さなかった。統計学的に有意ではなかったが、MnSODのTアレルを有する者で大腸腺腫リスクの低下傾向がみられた。大腸腺腫の大きさ別の検討、MnSODとGPX1及びMnSODとCATとの交互作用の検討も行ったが、注目すべき関連あるいは交互作用はみられなかった。
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Research Products
(3 results)